ウェルテル効果と友人の話。
こんにちは、さばみです。
突然ですがみなさんは、ウェルテル効果ってご存じですか?
最近何かと聞くこともあって、ご存じの方も多いかもしれません。
ウェルテル効果(英: Werther effect, 独: Werther-effekt) とは、マスメディアの自殺報道に影響されて自殺が増える事象を指し、これを実証した社会学者のディヴィッド・フィリップス(David P. Phillips)により命名された[1]。
なぜ最近この言葉を聞くかと言えば、それは三浦春馬さんが亡くなられたことによるところが大きいと思います。
私も、こういった事象はあるとは思っていましたが、実際にこの事象に名前がついていることは初めて知りました。
今回は、私の友人の話を混ぜつつ、ウェルテル効果のことについても私の備忘録がてらまとめてみたいと思います。
ウェルテル効果
概要は前述したとおりです。
日本の有名人でいうと、岡田有希子さん、XJAPANのHideさん、上原美優さんが代表としてあがることが多いようです。
また、有名人だけでなく場所によってもウェルテル効果は起こり、ある駅で自殺者が出たと報道されると、その駅での自殺者が増えるなどがあるそうです。
海外ではこの事象の発生を防ぐため、有名人の自殺報道は殆ど報道されない傾向にあるそうで、これは、WHOが発表した『自殺を予防する自殺事例報道のあり方』という勧告によるものが大きいと言われています。
この勧告には手引として以下のような記述があります。
やるべきこと
- どこに支援を求めるかについて正しい情報を提供すること
- 自殺と自殺対策についての正しい情報を、自殺についての迷信を拡散しないようにしながら、人々への啓発を行うこと
- 日常生活のストレス要因または自殺念慮への対処法や支援を受ける方法について報道すること
- 有名人の自殺を報道する際には、特に注意すること
- 自殺により遺された家族や友人にインタビューをする時は、慎重を期すること
- メディア関係者自身が、自殺による影響を受ける可能性があることを認識すること
やってはいけないこと
- 自殺の報道記事を目立つように配置しないこと。また報道を過度に繰り返さないこと
- 自殺をセンセーショナルに表現する言葉、よくある普通のこととみなす言葉を使わないこと、自殺を前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しないこと
- 自殺に用いた手段について明確に表現しないこと
- 自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと
- センセーショナルな見出しを使わないこと
- 写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いないこと
前述のように、この勧告、手引によって海外では自殺報道に配慮されているようですが、一方で日本はどうでしょうか?
今回の三浦春馬さんの自殺の場合、自殺したという事実はニュース速報としてテロップで流れ、遺書については公開されなかったものの(有無すら不明です)、自殺した場所や方法については直ぐに公開され多くの人が知ることとなりました。
また自殺したと報道された場所に報道人がつめかけ、その様子の写真から、具体的な場所が特定されてしまうという事態にもなりました。
というわけで、私の主観的に言えば、日本の報道はやりすぎじゃないかと思います。
しかし、岡田有希子さんの自殺報道の際は、さらにショッキングな報道がされていたという話もあるので、これでもよくなった方なのかもしれません。
友人の話
話が変わって、私の友人の話です。
友人は三浦春馬さんが亡くなる数日前に親族を亡くしていました。
三浦春馬さんが亡くなったのは、葬儀が終わってひと段落したからと、友人から近況報告を受けた丁度その日でした。
私も丁度音楽番組を見ていたときに画面上部にテロップが流れてとても衝撃を受けたのを覚えています。
友人も大きな衝撃を受けたようで、しばらくなにもすることができず、親族を亡くしたことと続いたせいもあり食事もあまりできずだいぶ体重が落ちたとのことでした。
私はとても心配でした。しかし、ただただ同情してあげることしかできませんでした。
どんな言葉をかけていいかわかりませんでした。
そんな中、友人はこんなことを言いました。
「文字列が見たくない。見たくないからTwitterもできない。テレビもニュースを避けなければならない。」
この時、「あ、報道ってテレビだけじゃないじゃん。」と思いました。
現代ではテレビよりネットのほうが情報を多く知ることができるわけですが、ネットで情報を発信しているのは会社だけではありません。
Twitterやブログで小さく発信している私ですら、ウェルテル効果を引き起こす要因になるということです。
私たちが発信することで影響があり得るとすれば、前述の『自殺を予防する自殺事例報道のあり方』の手引のうち
「自殺をセンセーショナルに表現する言葉、よくある普通のこととみなす言葉を使わないこと、自殺を前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しないこと」
の部分でしょうか。
手引だと、三浦春馬さんが自殺を選んだことも、その後を追って自殺することも、正当化されてはいけないものなのです。
これはとても難しいことだと思います。
現在だと自殺を選んだことを批判すると、逆に批判した方が誹謗中傷を受ける可能性すらあります。
こういう経緯もあってきっと海外では詳細に報道されないんだろうと思います。
作品を愛したい
三浦春馬さんは亡くなったことによって多くの方に影響を与えたように、これまでも多大な影響を与えてきた方です。
私も三浦春馬さんが亡くなってから過去作をいくつも観直しました。(何ならコンフィデンスマンJPの新作も観に行きました。)
そして、これからも観ていきたいと思います。亡くなったことよりも、生きていたことを感じていたいから。
一視聴者として作品やご本人を愛していければと思います。
ちなみに私が好きな三浦春馬さん出演作は『君に届け』、『TWO WEEKS』、『こんな夜更けにバナナかよ』です。
また、『コンフィデンスマンJP プリンセス編』のダー子(長澤まさみさん)とのダンスシーンも素敵でした。(面白かったのでおすすめです!)
以下は今回の件に関わっての一番好きな記事です。
まとめ
今回は、ウェルテル効果と友人の話でした。(友人の要素少な目でしたが…)
亡くなったことを受け入れるのって、大切だった人ほど難しいものだと思います。
自殺となるとなおさらです。
私の身の回りには今まで、自殺という亡くなり方をした人がおらず、自殺というものが身近であるとは言えませんでした。
今回のことで、ずんと目の前に来た感じがして、怖さすら感じました。
遺書は内容非公開(事務所発表だと存在すら無かったと言われています)なので、「誹謗中傷が原因だった」とか色々憶測が飛び交っています。
しかし、自ら亡くなった方の考えていたことは、当たり前ですがご本人にしかわかりません。
私たちには受け入れることしかできません。
ただ、9月から始まる予定だった『おカネの切れ目が恋のはじまり』は、見たかったなぁ…
全然受け入れられてないですね…
それではまた。